「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」と「青い鳥」

ブロードウェイ♪ブロードウェイ」と「青い鳥」を観て来た。
とりあえず、ブロードウェイ♪ブロードウェイに感動した!
オーディションで役を勝ち取ろうとするダンサーたちの物語のためのオーディションで、役を勝ち取ろうとする実際のダンサーたちのドキュメンタリー、という入れ子構造が非常に面白い。演じようとする役と、ダンサー自身の姿、それに、途中で何度も挿入される、初演時の実際のダンサーたちの物語がオーバーラップして、役が、「今」の生の物語として血肉を得ていく過程が見えてくる。
その役のために、みなひたむきになって演じ、そこに全てをかけている。その姿に胸が熱くなった。ああ、ミュージカルって、そして、ドキュメンタリーって素晴らしい。
映画が終わった時、このまましばらく座っていたいと思った程。こんなことって久しぶりかもしれない。この場が山形ドキュメンタリー映画祭なら、割れんばかりの拍手をするところなのだが。感動の持っていき場がないのは少し悲しい。
それもあって、終わってからパンフを買った。自分にとってパンフを買うという行為は、いい作品を見せてもらった時の「お布施」のような、感動の「お代」的な意味合いももっている。
薄いけど、いいパンフです。
出演者のプロフィールがきちんと載っているし、なにより素晴らしいのは、シナリオが採録されていること。ドキュメンタリー映画でシナリオを載せるというのを初めて見たが、これだけドラマチックな物語で、その一部始終を文字で再確認できるのは嬉しい。
来週からはマンマ・ミーアが公開されるし、ハイスクール・ミュージカルもある。さらに、地元の(この3作品を上映する)映画館では、ミュージカル映画の上映を記念して、オール・ザット・ジャズとシカゴの再上映も一日限りで予定されている。大好きな映画がまたスクリーンで観られる!*1まさにミュージカル映画三昧。ああ、今から楽しみ過ぎる。
欲を言えば、映画館で見逃した「RENT」が観たかったが。まあ、それももしかしたらそのうち、別のミュージカル映画に併せてやってくれるかもしれない。勝手に期待しておこう。


青い鳥も、非常にささやかな映画だけど、よい作品だった。
阿部寛が話の最後に伊藤歩に言っていたのと同じように、この映画自体も、欲張らず、映画を観た人にちょっとだけ何か想いを残すような、そんな軽さがよかった。
阿部寛はよい役者になったなあ。「歩いても 歩いても」もよかったし。今の大河の謙信役は、台詞回しが力みすぎで気になるときがあるが。でもあれは他の役者もダメだから、演出の問題かもしれない。

*1:平日なので、なんとか時間の都合をつけられるかが問題だが・・・