奇跡のシンフォニー

昨日、「奇跡のシンフォニー」を観てきた。
予告を観てなんとなく気になっていたのと、先日の英会話教室で(いつもの先生がハネムーンに行っているため)臨時で担当になった先生が、「奇跡のシンフォニーよかった。来週までですよ」と言っていたので、今週末しかないからと観に行ったのだった。


だが、先生には悪いが、つまらなかった。というより、出来が悪すぎて観ていてムカムカした。
とにかく、編集・監督が下手くそ。
カットが下手。ここは引きだろうと思うところで引かないし変なカット割りはするし。監督は対象の映し方がよくわかってない人なんじゃないか。過去の話と現在の話の時間のつなげ方も変。そして、過去の話はこれでもかというくらい説明過多。
それでいて少年の天才っぷりは説明不足。
ご都合主義は、描写に必要なリアリティがあればこそ楽しんで見られるわけで。
楽器は感性でなんとか・・・となんとか許容して見ていたが、4分音符で音階を教えてもらっただけで、16分音符やト音記号入りの楽譜を書いちゃうシーンで脱力してしまった。突然何でも知ってできちゃうんじゃ、天才じゃなくて超人だ。
モーツァルトの名前を出せば「彼も同じ様な天才だから」で説明ができるってわけじゃないだろう。モーツァルトはきちんと教育を受けてたんだから。一分間かそこら音階を教わっただけじゃなくて。
父親が母親の居場所を突然調べて見つけるシーンも、それまで名前しか知らなかったはずなのに、なぜ名字を知ってる?など、他にも突っ込みどころがありすぎた。その理由が説明ができるのならば、それらしきシーンは一瞬でもいいから入れるべき。
しかも肝心の音楽の使い方がセンスなし。演奏シーンで同時進行のクラシックとロックを合わせるところなんて、監督本人はかっこいいと思ってやってるのかもしれないが、センスがなくて悪い意味で鳥肌が立ってしまった。音楽そのものは悪くないのに(主役少年のギターはカーキ・キングだし)。
天才子役と宣伝されていたが、主役の少年の演技は大してうまくないし、よかったのはジョナサン・リース・マイヤーズを(ライブシーン含めて)堪能できたことくらいか。
やりたいことはわかるが、作る側の能力が伴っていない感じがした。


監督のこれまでの作品って何だろうと思って調べたら、「イン・アメリカ/三つの小さな願いごと」の脚本家だった。ん?イン・アメリカといえばジム・シェリダン。そういえば、「奇跡の〜」で監督名が出てきたとき、Sheridanってどっかで聞いた名前だなあと思ったのだが、そうか、Jim Sheridanか。ということは・・・・。
と思ってみたらやはり。この映画の監督のカーステン・シェリダンはジム・シェリダンの娘だった。1976年生まれ。若い。