ジャケット

やっと「ジャケット」を観てきた。
過去と未来を行き来すると聞いていたのでどういうSFなのかと思っていたら、実際にはそういう「行き来する理屈」には一切触れずに、タイムリープに伴う切なさや人の交流を抽出して見せているところが新鮮だった。
途中で主人公が実は無実であるというようなことが示されながらも、話の流れが疑いを晴らす方向に動くのではなく、「優しさ」に収斂していくのも、この映画の特徴だろう。優しく、しかし切ない(あの後のことを考えるとそうだよね?)ラストもいい。
ただ、映像の編集が自分の精神的・身体的にはかなりきつかった・・・。ああいう、無理矢理注射を打って拘束して・・・みたいな描写が昔から生理的にだめなのだ。観ているこちらも連動して体が痺れていくような錯覚を覚えてしまう。今回はそれに加えて頻繁にフラッシュバックの演出などもあったから、観ているうちに心拍数は上がるわ変な気持ち悪さは覚えるわで、一時は本気で途中退場を考えたほど。医者が過去の幼女暴行事件の犯人について語るところなど、一部分は会話の意味をとるのすら耐えられなくて、スクリーンが観られなかった。(←だめじゃん)こういうの、私だけなんだろうか。個人的にはそこらのホラー映画よりよっぽどきつかった。