大停電の夜に

大停電の夜に」を観てきた。
話が薄い、というようなことが書かれているのを読んだことがあるのであまり期待していなかったのだけど、意外に(ホント意外なくらい)よかった。
東京が大停電に見舞われたクリスマスイブの夜に、交差するいくつかの人間模様(特に男女の)と物語。偶然の連なりを描いたクリスマス映画という点では、昨日書いた東京ゴッドファーザーズに共通するところがあるかもしれない。赤ちゃんが映画の要素の一つになっているのも似ている。話は全然違うけれど。
話が薄い、というよりは、実は(話が進むうちにわかってくるのだけど)すごく狭い人間関係の連なりを描いているので、ちょっとせせこましい感じはする。せっかく「大停電」という大きな装置があるのに、描いている世界が限定的というのはもったいない。もっと飛び道具的な「何か」があってもよかったかも。
でも、こういうささやかさを大切にした映画も私は好きだ。
最後にはちょっと苦さがあって、穏やかな空気があって、こういうクリスマスの朝もいいんじゃない?ってね。
菊地成孔によるジャズな音楽もいい。全体的におしゃれだ。それが薄いと言われる理由の一つかも知れないが。
見てるうちに、たまには電気を消してロウソクの灯りで過ごすのもいいなあ、なんて思うことうけあいです。(←ちょっとミニコミ紹介記事風に)


でも、実際問題として、うちはIHクッキングヒーターだから*1停電中気軽に「何か作るわ」なんてことできないんだよな。(笑) ガスも通ってるのでまだましだけど。
話はかなり飛ぶが、CMでよく「オール電化の暮らし」なんてのをPRしてるけど、あれって停電したら何もできなくなるって事だよな。そんなハイリスクな生活できないよ。まさか小型発電器を置いているわけでもあるまいしね。
と書いてから、ちょっと検索してみて中部電気のオール電化Q&Aのページを開いてみたんだが、私のと同様の質問に対して「電気以外の熱源でも制御用に電気を利用しているものが多くあり、 停電した場合は使えませんから、 特にオール電化住宅 だから困るということはありません。*2」と、問題をすり替えて「不幸なのはあんただけじゃないんだからいいじゃん」ってな答え方をしているのには笑った。
質問者は「停電したらどうなるのか」と聞いてるんだろうに。「停電なんてすぐ復旧しますよ」と、さらに問題のすり替えを続ける中部電気。停電したらよっぽど困るんだろうなあ。

*1:これから年老いていくであろう母が自分自身と祖母のことを考えて買い換えたんだが、専用鍋は重いし土鍋は使えないし炒め物などの「煽り」ができないしで、やけどをする危険性がないという以外はあまりいいことがない

*2:そりゃそうかもしれないが・・・