韓国産キムチ

スーパーに行ったとき、そういえばキムチがなくなっていたことを思いだした。
私には味にこだわりがあって今のところこれと決めているキムチがあるんだが、辛いものが苦手の母は(自分が食べないもんだから)いつも適当なキムチを買ってきてしまう。先日母が買ってきた国産キムチもおいしくなかった。だから、今日こそは自分の好きなキムチを買っていって、「これがいいんだ」と教えなければ。
なぁんてことを考えていたんだが、いざ漬け物売場に行ってみたら、私の好きなキムチがない、ない、ないぃぃぃ・・・・! あのキムチはここのスーパーのチェーンでしか売ってなかったのに。
替わりに、売られているどのキムチの棚にも「国産です」もしくは「国産原料を使っています」という張り紙が張られていた。
つまり、あれだ。先日韓国産のキムチの一部製品に寄生虫がいたということがニュースになったが、それをきっかけに売場から韓国産のキムチを撤去してしまったらしい。
店側としては、客からの無用のクレームを避けられるだろうし、こうしてこれみよがしに張り紙まですることで、危機管理意識のある店ということをPRすることもできるだろう。
しかし、この対応はまずくないか。
第一に、これでは「韓国産のキムチにはみな寄生虫がいる」と言っているようなもので、誤った認識を助長することになる。当の製品ははっきりしていて、とうに市場からは回収されているはずだ。それなのに、ある製品に問題があったからといってその国の製品みなに問題があると考えるのはあまりに乱暴な考え方だし、無駄に消費者の不安を煽るだけだ。それにそういう偏見は国際問題にだって繋がりかねない。
第二に、これは消費者の選択する自由を制限することになる。しかしあくまで商品を選択する権利は消費者側にあるはずだ。
私は今まで国産のメーカー品で旨いキムチに出会ったためしがない。ことキムチに関して言えば、国産と韓国産では味が全く違う。さらに言えば「日本人向けの味」なんてのにはろくなものがない。原料に余計なものがたくさん入っているものも多いし。
私が今まで買っていたキムチは、限定した地域で生産した原料を用いて化学調味料は一切使わないという製品で、すっきりした味がとてもおいしかったのだ。すぐ発酵が進んで酸っぱくなるのが玉に瑕だったけど(ちなみに製品名は「珍島7」という。検索してみたら、やはりかなり味の評判はよいようで、自分の舌に自信がもてたというか、うれしくなってしまった。)。
だから、こんな十把一絡げで売場からなくしてしまうやり方には到底納得ができない。


と、ここまで書いてみて、これが米国産牛肉だったらとふと考えてしまった。
確かに不安に思う気持ちもわからなくもない。がしかし、BSEとこれとでは問題の次元が全く違うぞ。
やっぱり納得がいかない。