サヨナラCOLOR

映画「サヨナラCOLOR」と「ヴェラ・ドレイク」を観てきた。
どちらも今週末で上映が終わり。夜からの上映だから、平日に観て次の日に支障を来してもまずいしと思って週末にまとめて観ることにしたんだが、やはり二日に分けて観るべきだったか。今日は特に疲れているわけでも眠いわけでもなかったんだが、2作目の「ヴェラ」の途中からちょっとやばかった。(また同じことを)


ま、それはともかく「サヨナラCOLOR」について。
竹中直人が、ハナレグミの(もともとは「バタ犬の」だけど)曲"サヨナラCOLOR"にインスパイアされてつくったという映画。
医者である主人公の務める病院に、高校時代の彼のあこがれの存在だった女性が入院してくる。彼は彼女の病気を治そうと尽力するが、実は彼自身も・・・。という、自分を主役にしてここまでベッタベタな話をつくるとは、もしかしてすごいナルシスト?>竹中直人 と思ってしまうような話だった。本人はきっと狙って作ってるんだろうが。じゃないとできないよ、これは。
ま、ベタはベタでいいし、この映画ではそれがうまく作品の気持ちよさにつながっていたと思うから別にいい。それより、監督はプロではないにしてもすでに何本か映画を撮っているはずなのに、時々妙に素人っぽい画つくりをしているのが気になった。
また、彼の人脈か、作品には有名どころ(一般には)無名どころの多くのゲスト出演者が登場している。有名どころでは、例えば主人公の後輩の医者役にウッチャンナンチャンウッチャン、ヒロインの手術をする同僚医者役に中島みゆき、主人公の同級生役に忌野清志郎など。これらの人たちの「知名度」が、ときどき物語に勝ってしまって、話の流れをさえぎってしまっていた。
無名どころ*1では、彼の友人のミュージシャンたちがチョイ役で多数出演。スチャダラ、スカパラの谷中さん大森さん、浜崎貴司、三宅伸二・・・etc.。この映画の音楽を担当しているナタリーワイズのBIKKE*2クラムボン原田郁子*3ハナレグミこと永積タカシは3人揃って(話の主筋とは関係ないところで)結構大きくフィーチャーされている。この映画をわざわざ観に来る人があの曲を知らなかったりこの辺の人たちを知らないということはあまりないと思われるかもしれないが、地方だと本当に知られていないのだ。だから、彼らの出演するシーンを見ても、思わせぶりな演出だけどなんなんだろうと思った人は多かったと思う。
自分にはそういう要素も楽しめたが、そういう「わかる人が見ればわかる」的な要素をあまり多く入れるのは、監督の自己満足にも近いように感じた。そしてそれは、作品の意図をぼやけさせてしまうように思える。
そういうバラエティーな映画を作りたいというなら、それはそれでいいんだけど。
作品の雰囲気はいいので、ちょっともったいない気がした。

*1:しつこいようだけど、もちろん、「一般に」ね。名前を知っていても顔を見てすぐわかるかどうかは別だし

*2:エンドクレジットで高野寛も出ていたことを知ったが、気づかなかった! どこに出てたんだろう

*3:一週間後には生で見られる♪