気になる数

先日録画しておいたETV特集の「気になる数 〜出生率1.29の少子化社会〜」を見る。
日本の合計特殊出生率1.29ってどんな数? その原因って?ということを様々な数字をポイントにしてわかりやすく説明した番組。
ゲストに江川達也ソニンルー大柴、それによくわからないけどフランス人、下着会社(ピーチ・ジョンかな?)の女性社長。ゲストの手元にはYESとNOの2種類のボタンがあって、番組の内容に賛成ならYES、異議をとなえたいならNOのボタンを好きなだけ押してもらい、その合計数を比べてゲストの考えを伺うという趣向。
番組を見る限り、これまでにも何度か同様の企画をやっていたみたい。その中で今回のテーマが1.29だったと。


1.29って・・・(とっても乱暴な説明)
男50人、女50人の100人の村の男女がそれぞれカップルを作ったとする。50人の女性が一人当たり平均1.29人の子供を産むとすると、生まれてくる子供の数は64.5人。つまり、一世代で6割に減る。曾孫の代には1/4に。
出生率がこのまま1.29だった場合、1300年後には日本人は一人もいなくなるそうな(いや、そこまで先の話を持ち出されてもちょっと・・・)


2409万・・・日本の家庭で飼われている犬と猫の総数。ちなみに、日本の子どもの数は1770万人。(そういやうちでも猫一匹飼ってます。「子ども」はもういませんが)


1380万・・・親と同居する未婚者の合計(み、耳が痛いっす・・・)
これについて出てきた例が、洋菓子研究家を目指して東京、フランス、イタリアに(親の援助ももらいつつ)留学して、帰国した現在も勉強中という女性(30)と、フィギュア集めが趣味で等身大美少女フィギュア3体を妹のような存在という男性(39)(大手自動車会社勤務なんだそうで)の2人。うーん、極端。(笑)(ま、稼ぎが良さそうなだけ私よりましだわ)


32%・・・1か月間性交渉がない夫婦の割合
これが結構重要なんだそうで。っつーか、そうだわな、確かに。
日本人は働き過ぎで疲れちゃってやる気がなくなるんだと。思わず納得。
また、ある会社の調査では日本人の年間のセックスの数は41カ国中最下位だったとか。(^^;*1 ちなみにこの調査でトップだったフランスの出生率は1.92。フランスでは最近ベビーブームだが、その一因として、5年前に導入された週35時間制で父親が早く家に帰るようになったことがあるらしい。*2
つまり、「子どもを増やしたいなら旦那を早く家に帰そう」「産む選択云々の前にまずは数だ」ってことだわね。(笑)
今の経済状況でフランスのまねをするのは難しいだろうし、制度化すれば中小企業が大きなダメージを被ること必至だが、現在進行中の急速な医療改革や年金改革のことを思うと、これくらい長期的な視点でもって臨むことも先のことを考えたら有効なのかもしれない。(その支援のための企業向け予算を組むってことはできないのかな)


少子化の進んだ社会の一つの例としてある過疎の町の事例が紹介されていた。学校の統廃合で遠くの小学校に通わなければならなくなってしまったため、子供たちは町でチャーターしているタクシーで通学。少人数学校なので授業はマンツーマン。パソコンも一人一台。しかし近くに遊ぶ友達が少なくなったために最近肥満気味な子供たちの健康を気遣って、校内に屋内プールをつくってフィットネス教室を開催している。
まさに至れり尽くせり。っていうか、過疎の町にそれだけのお金があることにびっくりよ。


ちょっとおもしろい視点だったし、こうやって可視化されるとわかりやすく見られていいね。専門家の解説じゃなく、あくまで普通の人の感覚で無責任に話が進んでいるのもいい。井戸端会議を見てるような感覚。

*1:どうやって調べたのかは謎だが。何についてであれ、個人の内的情報の「年間」の量を調べるのは至難の業だと思う。

*2:もちろんそれが即セックスの数につながるわけじゃなく、夫が家にいる安心感や、家事の分担が進んで子育てがしやすくなったなど、いろいろな要因が考えられるだろう。