アンコールの人々 (フランス/2003/リティー・パニュ)

アンコールワットの遺跡の修復作業をする人たちと、観光客相手にガイドブックを売って生活している少年が、遺跡の周りを巡りながら、遺跡の伝説と歴史、自らの人生について語り合う、という映画。
実はこれも度々うとうとしてしまいまして(^^;(←またかよ)、全部を評価することはできないんだが、よかったんじゃないかと思うね。
ここに出てくる遺跡修復をするおじさんは、貧乏であるために自分と同じように息子にも教育を受けさせられなかったことを後悔しているんだが、彼は、学がないといいながらも遺跡の伝説や歴史にとても詳しいし、そこにある神を今でも信仰している。そこからは、土地の人々のもつ精神世界の豊さが見て取れる。素朴だが土地の遺跡と田園風景を愛し、その土地と豊かな精神性で結びついている。それは、それだけでとても素晴らしいことだと思う。


といっても、この監督の思わせぶりで平坦な演出は苦手だが。
監督が前回の映画祭で発表した「S21 クメール・ルージュの虐殺者たち」も世間的にとても評価が高い(賞も獲った)けれど、自分には、すごいんだろうなあと思いつつ眠くて仕方なかった記憶しかないし。(^^; 彼はその前の回の映画祭でも作品が賞を獲っている。こないだのカンヌにも出品してるし、まあ、映画祭とか高尚な場ではとにかくウケのいい人みたい。