アフリカ・ユナイテッド (アイスランド/2005/オーラフ・デ・フルル・ヨハンネスソン)

アイスランドの移民・外国人たちを中心にしたサッカーチーム「アフリカ・ユナイテッド」が、リーグ外からセミプロの三部リーグに上がることになった。その準備期間からシーズン終了までを追った映画。
しかし、このチームの特色は、弱いこと。そして何かと審判に抗議をしたり、イエローカードやレッドカードを頻発するのでとても評判が悪い。だから、チームのために奔走するモロッコ人の監督ジーコ(笑)も、スポンサー探しにさえ一苦労だ。(結局ヴォーダフォンという大物を捕まえてきて、なかなか体裁の良いユニフォームをつくっていたけど。一度は断られかけたようだったが、どんな手で説得したんだろう)
シーズンが始まって実際にプレーを見てみると、彼らは本っ当に弱かった。(笑)
ゲータレードだっけ、スポーツの失敗映像ばかりを集めたCM流してたのは。彼らのプレーは本当に「あの」レベル。特にゴール前のがら空き具合はすごかったね。ミスに近い方法でポンポンと点を入れられて、一挙に11点差とか。あんまり酷いので笑うしかない。(笑)
そして皆、熱しやすく、グラウンドの中であろうと外であろうとすぐ言い争いになる。もう、チームワークはどこへ?って感じ。そんな彼らをチームにつなぎ止めてなんとか上を目指そうと必死の監督を、カメラはどこまでも追いかけていく。
話だけ聞くとかなりひどい状況だが、実際はとても笑えて楽しい映画になっていた。それはスタイリッシュでテンポのよい音楽と編集のおかげでもあるし、(こんな状態でも)みなサッカーを愛していることが伝わってくるからでもある。
上映後の質疑応答で監督は、「移民を題材に映画をつくりたかったが、移民というと暗い話になりがちだ。そうではなく、コミカルでファニーな作品をつくりたかった」と言っていた。なるほどと納得。