ミリオンダラー・ベイビー

ミリオンダラー・ベイビー」を観てきた。
これは感想を言うのが難しい映画だ。
ラストがあれだから、なおさら。あれのせいで、ちょっと「だから何?」と思ってしまったし。
ただ、最初から最後まで情に流されず、リアルであることから目をそらさない演出はさすが。そういう演出だからこそ後半の展開がすっきりと見えてくるんだろう。
マギーの家族を見ていたら、一昨年のドキュメンタリー映画祭で観た「スティーヴィ」という映画と、それを語るときに使われたプア・ホワイトという言葉を思い出した。豊かでありながら、こういう人々も存在するのがアメリカの現状だ。そしてこれは、仕事がなく進学する金もないために軍隊に入り(一定期間軍隊にいれば奨学金がもらえる)イラクに派遣される若者達ともつながっている。って、ちょっと飛躍しすぎかもしれないが。
女性ボクシングを通して、「そういうことの上に成り立つアメリカ」を見せることが、もしかしたらイーストウッドの狙いだったのかも。そういえばマギーの試合の観客の中には上品そうなご婦人もいたし。