ペイネ 愛の世界旅行

ペイネのキャラクターの二人が世界中を旅する、という趣向で、彼らが時代を越えて各国の有名なものや人に出会うアニメなのだけど、これがかなり無責任な各国イメージでいっぱい。
ベルギーではブリューゲルの絵の中に入ったり、イギリスではエリザベス女王夫妻に王宮の舞踏会に呼ばれて行ったらビクトリア女王が出てきて、出席者の中にはビートルズもいて、それがなぜか全員ギターを弾いてたり。スペインでドン・キホーテを助けたと思ったら、次にはスイスでウィリアム・テル児童虐待で抗議される(笑)場に居合わせたり。巨人達が箱のようなものを組み立てたらそこがNYのビル群になり、そこから黒ずくめのサラリーマンたちがぞろぞろとでてきたり。愛と平和を謳ってるわりには、ときになかなかブラックで、時事的な描写もあり。
イメージに制限がないのがおもしろいなあ。イマジネーションを自在に表現できるアニメーションの面白さを確認した感じだ。
海外から見た典型的ジャポニズムな日本(でもどこか中国っぽい)と、顔がテレビになってるテレビ人間がぞろぞろと歩く図が続いている日本の描写には苦笑しちゃったけど。そういうイメージの時代だったんだな。
絵や描写に、製作された74年の時代を感じさせるものも多くてそれも興味深かった。
ラストがまた、ラブ&ピースな時代っぽい。
今じゃ無邪気にこういうアニメは作れないだろう。