フールズ・ファイア

道化師が王様と大臣たちに復讐する、という、エドガー・アラン・ポーの短編を映像化した作品。
話自体は短編という事もあってわりとあっさりしたものなんだが(暗くておどろおどろしいけど)、巨大パペットと人間(の小人)が共存するビジュアルはかなーり異様。パペットの造形や美術、映像の人工的な色合いも奇妙さを増強していた。
たとえるなら、ティム・バートンの初期アニメに近い感じか。これはアニメじゃないけど。
ペイネといいこれといい、夜中に倒錯したイメージの映画が続くなあ。
それでも見ているうちに、これが普通の映像のように見えてくるから不思議。
見終わった後に総合でウィル&グレイスを見たのだが、脇の登場人物が一瞬人形に見えてしまった。映画のビジュアル恐るべし。


でもこれはTV映画で、本国でもほとんど知られてないらしい。
IMDbで見たら、投票数たったの23。製作は1992年とそんなに古い作品ではないのだから、いくらTV映画でもこれは少なすぎのような気がする。ソフト化されてないのかな(IMDbのレビューにも「DVDが出てないなんて!」というようなことが書いてあるけど)。
ちなみに監督のJulie Taymorは「フリーダ」の監督をした人。