コーリャ 愛のプラハ

昨夜BS2にて。
タイトルからはなんだか古典的な恋愛映画みたいなものをイメージしてしまうけれど、実際には、チェコを舞台にした初老の男性と5歳のロシア人の男の子コーリャとの交流を描いた心温まるストーリーだった。誰だよ、こんなセンスのない邦題を考えたの(原題は単に「KOLYA」)。
チェコの市民権を得るために自分と偽装結婚したロシア人女性がドイツに亡命し、その子供だけが置いていかれた。仕方がないからとりあえずは面倒を見るしかない。そんな状況から始まる物語。そしてそれと同時に、チェコ社会主義という一つの時代の終わりを描いた映画でもある。
子供がすごーくかわいいんだ。言葉の通じない国にひとりぼっち。頼れるのはパパ(と呼んでいる)だけという中での彼の不安や寂しさや喜びが画面から伝わってきて、胸がキュンとなってしまう。
ラストはある意味ハッピーエンドなんだけど、やはり寂しい。淡々とした演出が、よけい切なさを増して、印象深いシーンにしていた。