Ray/レイ

Ray/レイ」を観てきた。
が、前評判で聞いていたとおり、普通の伝記映画になっていた。
成功していく影に女とクスリ、という型どおりの話であるのだが、今一つ踏み込みが足らない。
また、幼い頃のトラウマ、母親の思い出、そして現在の妻子との関わりと、この映画の裏テーマは家族であるように思われたのだが、ラストでそこから焦点がずれてしまって、作品の描こうとしているものがぼやけてしまったように思える。それまでの流れに比べて最後がやけにあっさりと終わってしまったのにも少し違和感を感じた。
でもまあ、レイ・チャールズはこんな人生をたどってきたんです(映画で描かれるのは半分だけだけど)、という話を彼の音楽にのせて綴る音楽劇としては肩肘張らずに楽しめていいのではないだろうか。ジェイミー・フォックスは、本当にレイ・チャールズになりきってるし。
レイ・チャールズの音楽はいいのはもちろんだけど、クレイグ・アームストロングによるスコアもよかった。
これでラストがもう少しきちんと着地していればなあ。