ネバーランド

Finding Neverland

ネバーランド」を観てきた。ちょうど昨日アカデミー賞ノミネートも決まった作品。
実はちょっと泣いてしまったので偉そうなことは言えないんだけど、ドラマとしてあまり出来がよろしくはないと思う。観てる途中はよかったんだけど、見終わったらすごく物足りなさを感じてしまった。
話の展開はいたって普通で、観る側の予想を裏切らない。その上で、この作品は現実の映像の中に想像の世界の映像が頻繁に挿入されるところが特徴となっている。例えば、少年達と(ジョニー・デップ演じる)バリが海賊ごっこをしていると、次の瞬間には彼らは海上の船の上にいて、しばらくするとまたもとの海賊ごっこに戻っているというふうに。こういう演出は別に珍しくはないけれど、多用すると現実のドラマを薄く感じさせてしまうし、うまく使わないとあざとくなってしまう。
特にクライマックスの、家の中で役者達がピーターパンを演じるシーンでそのあざとさが極まった感じがする。それまでそれなりに盛り上がっていた気分が一気に醒めてしまった。ベタ、以前に、この監督はこういう想像のシーンの使い方が下手なんだな。
ピーターパンの劇中劇のシーンは好きなだけに、そういう現実(に行われている)の部分をもっと多く見せて欲しかった。
ジョニー・デップは、可も不可もなく。もちろんうまいんだけど、特に素晴らしい演技だとは思わなかった。これでオスカー獲っちゃったらちょっとやだな。でもパイレーツ・オブ・カリビアンで逃したばかりだから、次は獲らせてあげよう、なんてことで票がいっちゃう可能性もあるかなあ。だったらやだなあ。
ケイト・ウィンスレットも演技はまあ普通だけど、彼女はますます貫禄が出てきて、いい感じだ(誉めてます)。ダスティン・ホフマンについては、彼があの役で出ている必要性を全く感じなかった。