真珠の耳飾りの少女

Girl With A Pearl Earring

真珠の耳飾りの少女」を観てきた。


コリン・ファース演じるフェルメールスカーレット・ヨハンソン演じる使用人の少女のシーンがエロかった。実際には何があるわけでもなく、外面的には雇い主と使用人、画家とモデルの関係でしかないのだが、二人のいる空間にはとても濃厚な空気が流れている。
話の中で、画家は以前にパトロンの使用人だったモデルの女性を孕ませていることが知らされているので、その「可能性」を感じてしまうからかもしれない。少女が始終おびえたような心細げな表情をしているので、この子はこのままなんでもされてしまうんじゃないかと余計ドキドキした。(←ちょっと妄想入り気味)
二人が愛人関係になるのなら話は単純なんだが、そうはならない(それに少女には別に恋人がいる)。情愛や肉欲を露わにすることなく、絵を介した関係。しかしどこかで心を通い合わせている二人。その静かな描写が・・・・エロい。


出来上がった絵との色味を合わせるためだろう。映画では、光源の加減や角度、色合いをコントロールして、実写でフェルメールの絵画の世界を再現している。特に、室内に斜め上から射し込む柔らかい光や、全体的にくすんだ色彩、衣服や壁にできる陰影がとても美しい。
そして最後に本物の絵画がスクリーンに現れたとき、その美しさに鳥肌が立つ気がした。
全てこの瞬間のためにある作品だろう。
とても美しい映画だと思う。