東京原発

東京原発

東京原発」を観てきた。東京都知事が東京に原発を建設しようと提案することから始まる事件をコメディー・タッチ(?)で描いた映画である。
アイディア、プロットは悪くない。原発関連の知識の啓蒙という側面から見れば、ある程度役に立つとも言えるだろう。けれど、脚本と演出が悪すぎる。一人ずつ順番に台詞を言っていったり、みんなで同じ方向を向いたり、あんたらそれは中学生演劇ですか?と言いたくなるようなレベル。今時渡鬼だって、いや、中学生日記だってこんなひどい演出はしないぞ。
それにこの監督は、現実を単純に皮肉ったり人物をカリカチュア化して描いてみせれば風刺の効いたコメディーとして笑いがとれると思っているようだが、その内容があまりにストレートで底が浅い。何か起こる度にジャーン!と派手な音楽がかかるのもバカの一つ覚えみたいだ。
他にもつっこみたいところはありすぎるくらいだが、最低限できているべき部分ができてないということだけ書けば充分のように思う。こんな演出につきあわされる役者が気の毒だった。