オアシス

OASIS

「オアシス」を観てきた。韓国映画で、前科三犯の男性と脳性麻痺の女性のラブストーリー。
健常者と障害者の恋愛というと同情を誘うような話だろうと思ってしまいそうだけど、この映画に出てくる現実はあまりに厳しくて、そんな生やさしい感情を挟む隙なんてなかった。それに最初の方で男の社会不適応なろくでなしぶりを見せられているので、観る側もあまりそういう感情を抱けない。このキャラの設定がうまいね。彼らは同情なんて必要としていないのだから。
生半可でなく厳しい現実の中で、一つの恋が、ときにユーモラスで、ときにファンタジックに、ときに残酷に描かれている。そして絶望的とも思えるラストを迎えながら、見終えた後にはさわやかな気持が残る。この対比、この構成が見事。
女性を演じるムン・ソリの演技がすごい。脳性麻痺で全身や顔を歪めた姿と、彼女の妄想の中で健常者の彼女が楽しそうに普通に動き回る姿とを軽やかに演じ分けている。男性を演じるソル・ギョングの演技もとてもリアルだ。
監督は「ペパーミント・キャンディ」のイ・チャンドンソル・ギョングはその「ペパーミント〜」の主役だった役者。と書きつつ、実は未だに「ペパーミント〜」を見たことがないんだよねぇ。前に一度レンタルしたことがあるんだが、見ないで返してしまったら、次にレンタル屋に行ったときにはすでに棚から消えていた。以前NHKでやったのも見逃してしまったし、いつかBS辺りが放送して見る機会がくるのだろうか。