ロスト・イン・トランスレーション

Lost in Translation

ロスト・イン・トランスレーション」を観てきた。
素敵な恋愛映画だった。甘くならないラストがとてもよかった。
って、これだけじゃまずいか。今ずっと考えていたんだけど、何を書いたらいいかなかなか思いつかなくって。だから以下はまとまってない文章になってるけど許して。


ソフィア・コッポラの視線には遠慮がない。たぶん日本人には日本人だからあえて無視する、ぼかして描写する情景というのがあるのだと思う。でも彼女のカメラはそこにずかずかと入ってきて、表面にかかった膜一枚剥いだところにある日本の姿を映してしまう。だからこの映画を見て不快感をもったりするのは、自分があえて注視しないところを外国人に見られてしまった気まずさがあるからではないだろうか。
これ、日本に来たことのある外国人なら「それ、あるある〜」って感じで笑えるシーンがたくさんあるんだろうな。でも自分は日本人なので素直におかしいとは思えない部分もあり、なかなか心中複雑なのだった。
それでも、こんなふうに素敵にかっこよく東京を映した映画は初めて見た。きっと外国人は東京をこんなふうに見ているのだろう、なんて考えたら、気まずい描写もそれはそれで楽しくなってくる。さすがに富士山や京都の描写は外国人の求めるオリエンタリズムを強調しすぎだろうと思ったが、それも含めて私は楽しめた。だってこれは一種の観光映画なのだから。
映画館を出たら、見慣れた風景がいつもと違って少し新鮮に見えた。この映画を見た意味はそれだけで十分じゃない?