油断大敵

油断大敵

「油断大敵」を観てきた。
新米泥棒刑事が捕まえたプロの泥棒から泥棒について教わり、10年後、彼はベテランの泥棒刑事になり泥棒は刑務所を出所して・・・という話。
もっとコミカルな話になると思ってたのに。最初はわりといい感じだったんだけどなぁ。
まず、話の中心を泥棒と刑事の話にしぼるべきだった。娘の話なんかをダラダラと続けているから内容が散漫になってしまっている。また、泥棒が刑事に泥棒のノウハウを教えるシーンをもっと時間をかけて描いておくべき。それがないから、話がはじけきらないし、後半の彼ら二人の間の特別な関係性とか、刑事がノウハウを上手く自分のものにしているという描写が活きてこない。そしてその分余計な湿っぽい描写はけずるべきだった。
全体的には、何の驚きもない展開のうえに演出がベタ。泥棒の少年時代の回想シーンまででてきたのには勘弁してーって感じ。
結局終わってみると、二時間ドラマレベルの脚本と演出に加えてジメッとした湿っぽさのある、普通のつまらない日本映画なのだった。

ただ、最初の方で男やもめの刑事が惚れる女性役で夏川結衣が出てきたのはよかった。彼女は思いきりのいい動きをするねえ。今NHKでやっている「菊亭八百善の人びと」でも体いっぱい使って演技をしているのがとても魅力的。来年の大河にも出るそうで、今からちょっと楽しみにしている。