新シネコン

今日の地元紙の朝刊に、市内の映画館経営会社が、現在商業地区を揃えた上で売りだし中の新住宅地に新しくシネコンを建設するという記事が載っていた。設計は、世界的であることに加えて、最近では地元山形でも大活躍の工業デザイナー奥山清行氏だそうだから、なかなかの気合の入りようだ。
山形には映画館の経営会社が2つあって、一方はすでに駅前のビル地下に小さいながらシネコンをもっているので、これで市内には2つのシネコンができることになる、と同時に、これは市内では初の郊外型シネコンとなる。郊外型シネコンともなれば、市内よりはむしろ周辺地域の客を含めた勘定をしているとは思うのだが、それにしてもこんな田舎の都市でシネコン2つ(現時点ではその他に市中心部に3館、9スクリーンあり)というのは結構すごいことだと思う。
しかしこうなると、この会社が経営する市中心部の映画館は閉めちゃうのかなあ。それは非常に残念だ。
私はもう一方の会社の映画を原則一本1000円で見られる*1会員になっているので、こちらの会社の映画館には、そこでしか配給されない映画でないかぎり見に行かなくなってしまったが、それでもこの会社は歴史のある映画館(緞帳があるような)をもっている*2し、市中心部という非常にいい立地だっただけに、それがなくなってしまったらいざというとき不便だとも思う。*3
それに、そうしたらこれらの映画館が毎年会場として提供してきた山形国際ドキュメンタリー映画祭はどうなるんだ。記事によれば、今度のシネコンドキュメンタリー映画祭にも会場を提供することを考えているらしいが、あんな気軽に廻れない場所にある映画館を映画祭で使うなんて不便極まりない。小さい街中を歩いて(もしくは市中心部を走る100円バスを利用して)廻れる範囲に会場が集まっているのがこの映画祭のいいところだったのに。世界中からはるばるやってくるお客さんたちに不便な思いをかけさせたくないし、そうなると映画祭の評判も「なんかいまいちになったね」なんてことになりそうで心配だ。ただでさえ、今年から運営母体が市から独立して次回からの補助金も未定という、採算の厳しい状況なのに。今が瀬戸際なんですよ。

*1:6本見ると1本タダになるので実質的にはもっと安い

*2:一度閉めたが、リクエストにより再度開場したという経緯もある

*3:それは逆に、売ればたぶんそれなりのお金になるだろうということも意味しているのだが…。