NHKスペシャル

論文捏造というと、NHKには、BSドキュメンタリーでベル研究所の研究者を追った秀逸なドキュメンタリーがあるが、今回取り上げられた韓国のES細胞の論文捏造も、構造は先の捏造事件ととても似通っているのに驚いた。
図や写真の単純粗悪なコピーによる捏造、匿名の告発を端緒とする発覚、論文の捏造を完全に見抜くことは不可能だと説明する(その通りなのだろうが)科学誌の編集者(今回はサイエンスだったが、ベル研のときはネイチャーだったか)、首謀した研究者には後ろ盾となったその分野における有名な研究者がいて、しかも事件発覚後は口を閉ざしている・・・、等々。
NHKの編集も、先の番組を意識して作られているように思えたのだが気のせいだろうか。両番組のクレジットをチェックしていなかったから、共通のスタッフがいるのかどうかはわからないけど。NHKにはできれば、この二番組をふまえた、論文捏造が繰り返される構造と研究者の直面する問題についてまとめた本を出してもらいたい。