「証言 イスラエル暗殺部隊〜“ミュンヘン”への報復」

BS海外ドキュメンタリーにて。
ミュンヘン五輪イスラエルの選手達がPLO工作員に誘拐殺害されたことをきっかけに、イスラエルが殺人犯たちに対して報復を行った、という、こないだスピルバーグ監督で公開された映画「ミュンヘン」の元となった事件のドキュメンタリー。
報復を行った側とPLOの当事者達が出演してるというのがすごい。さすがに報復の実行者の一部は匿名で顔も隠していたが、元モサド幹部や元PLOの人物が普通に顔を出して事件や殺害の詳細について話しているのには驚いた。しかも、殺害の手口について語るときの元モサド幹部の語り口がなんだか得意げで楽しそうなんだよね・・・。今更報復の心配はないということなんだろうか。
映画で使われていた殺害の手口(電話に爆弾を仕掛けて本人が受話器を取ったところを爆破させる、とか、女装してレバノンに侵入する、など)が実際に行われていたことにびっくり。もちろん、ノンフィクションを原作にしてつくられた映画なのだから当然かもしれないが、話の筋だけ同じにしてあとはエンタメとして作られているんだと思ってた。まさかあんなスパイ映画もどきのことが実際に行われていたとはね。
映画は、(途中まではいいんだけど)最後が非常にしょっぱい終わり方で脱力してしまう作品だったが、それでもこのドキュメンタリーを見てから観るとより楽しめるように思う。映画をこれからDVDなどで観る予定の人は、この番組の再放送予定をチェックして、先に見ておくといいかもしれない。
2006年BBC製作。つまりまだとっても新しい作品だ。たぶん向こうでは映画公開後に作られたんだろう。日本でも映画公開には間に合わなかったが、それでもこんなに早く(DVD発売前に)買い付けてきて放送したNHKは偉いぞ。


今回BS海外ドキュメンタリーのページを見てみたら、5/5こどもの日に、「チェチェン紛争・子どもたちの情景 前・後編(仮)」の放送予定が。これ、邦題が変わっている(仮だけど)が、山形ドキュメンタリー映画祭で上映された「メランコリア 三つの部屋」だ。「ダーウィンの悪夢」にひきつづき、ヤマガタで上映された(しかも私が観た)作品がTV放送されることになろうとは。こちらは賞は獲ってないけど。
もしかしてNHKの担当者は、ヤマガタで放送する番組の品定めをしているんだろうか。あり得ない話じゃないよな。
ただ、今回も一本の映画を前後編に分けているらしい。ダーウィンのときも違和感があったが、こういう編成にはかなり無理があるように思われる。しかも今回は三部構成の映画を二つに分けようというのだから、きっとかなり違和感のある仕上がりになっているはず。
BS1NHKの他のチャンネルと違って、ニュースの時間が厳密に決められているからなあ。ドキュメンタリーの放送のあるときぐらい、間10分のニュースをなくしてもいいような気がするんだけど。どうせ流す内容は毎回同じなんだし。