繋がれた明日

誤解が解けて一件落着と思いきや、後半になってその穏やかな雰囲気に冷や水を浴びせるような被害者の遺族の言葉をこれでもかというくらいもってくるところがうまいねえ。それまで心情は主人公側に傾いて見ていたのが、一気に現実社会の問題に引き戻されてしまう。確かに、社会通念的に見れば、被害者の遺族のいうことはもっともなんだよ。
でも、いくらなんでも言い過ぎだし被害者側とはいえやることが非人道的だろう、と思っていたら、被害者の弟の「母は事件の後おかしくなってしまって」という言葉が。そりゃ、精神的におかしくなってしまったら多少の行き過ぎはしかたないよな。しかも、その遠因はやはり加害者の方にあるんだもの。
と思わせるバランスの取り方が上手い。
ドラマについては、展開がちょっと駆け足的になっていたので、最終的にうまく着地させたなあ、というのが一番の感想になってしまったけれど、それでも久しぶりに集中して見た国内ドラマだった。
次のマチベンはどうだろう。主人公が江角というのがちょっと懸念事ではあるんだが。