8月のクリスマス

8月のクリスマス」を観てきた。
実は今日は夕方から別の映画を観に行く予定だったんだが、タイムテーブルのニュースレターに登録している映画館から、9日付で「『8月のクリスマス』は諸事情のため急遽11(金)で上映終了することとなりました」という内容のたった2行のメールが送られてきて。仕方がないのでこちらを優先することに。
メールに気づいたのが10日の夜。このとき気づかなかったらたぶん見逃していた。どんな事情があったのかしらないが、こういうことはなしにしてほしいものだよ。>F映画館


で、映画の話。
有名な韓国映画八月のクリスマス」のリメイク。もちろん映画のことは知っていたけれど、実はオリジナルは観たことがない。ハン・ソッキュシム・ウナの映画だし、いつか観なきゃな、リメイク観る前がいい機会かな、なんて思っていたんだけど、結局観ずにここまできてしまった。(^^;
だからオリジナルとの比較はしようがないんだが、変な表現だけど、結構「日本映画」として上手くできていた。雰囲気や演出が淡々としている。
病気で余命幾ばくもないことがすでにわかっている写真館の主人と、若い小学校の臨時教師の淡い恋。というと、過剰に悲劇的な展開を思い浮かべてしまうんだが、この映画はとてもほのぼのとしている。主人公が次第に死に近づいていること、そして家族も本人もあきらめつつそれを静かに受け入れていることが示されつつも、日々の生活は時に楽しく、時に穏やかにすぎていく。観客にとっては先のことがわかっているので哀しい話ではあるんだが、ことさら死を強調するのではなく、のほほんと哀しい、そんな映画。
その雰囲気に大きな役割を果たしているのが、主演も務める山崎まさよしの音楽だ。主題歌だけでなく音楽も、と知ったときは少し驚いたけど、これが、きれいな旋律でしかものんびりとしていて、実にいい。話のシリアスさをさっとかわすような、映画の中での使われ方もうまかった。この監督の他の作品は観たことがないんだが、観客の目をかわすような演出なども多く、なかなかうまくて手慣れた監督さんだと思う。
寂しさの後にほんのりと暖かさの残るラストも私は好きだね。ただ、少し印象が薄い。もう少し深さと主人公の想いの熱さが伝わるような演出だったらもっとよかったのに、とは思う。
山崎まさよしは、思ったよりもずっと、役者としていい感じ。決して上手いわけではないんだが、自然でとてもよかった。見ている間、彼が歌手山崎まさよしだということが意識されなかったほど。ただ、さすがギタリスト、彼は肩から二の腕にかけての筋肉がすごいのだ。(笑) それはもちろん、写真館の主人としては不自然なほど。あの筋肉は絶対かたぎじゃないよなぁ、なんて思いながら見ていたので、ヒロインが「おじさん運動音痴でしょ」と言うシーンには苦笑してしまった。だってあれは、一般的に見たら何かスポーツをしてる人にしか見えないもの。


ところで全然関係ない話になるが、クリスマスといえば、今年のクリスマス・イブ&クリスマスって土日なんだね。しかもその前日が祝日だから3連休だ。
ラッキーなようなアンラッキーなような。ラッキーなのは、周りの華やかな雰囲気を目にしながら帰る寂しさを感じずに済むからで、アンラッキーなのは、休日中家にいても出かけてもきっとめっちゃ寂しいだろうから。。。
どうせ何の予定もないですよ、ええ。
何かイベントでもあればいいのになー。以前、クリスマス・イブにライブ・イベントにいったことがあるのだが、あれはよかったね。客がみな自虐的なノリで盛り上がってて、楽しかった。*1(笑)←そういう発想がすでに寂しい

*1:もちろんカップルで来てる人たちもたくさんいたけど