人類、月に立つ

今回は宇宙飛行士の妻たちの物語。
以前にも書いたけど、毎回、その視点も登場人物も演出も全く異なるのがとても興味深い。そして当たり前のようだけど、人類が宇宙に行くという出来事は、ただその事実だけではなく、周辺には本当にたくさんの(その人数分だけの)ドラマがあったのだなと感心する。
今回は、ドラマの冒頭で宇宙飛行士の妻として華やかに登場していた彼女たちが、後にはその多くが離婚したということを最後に知らされて少し切なくなってしまったけれど。
それでもやはり、宇宙と、そこを目指そうとする人々の物語はいい。宇宙飛行士の妻達も、彼女たちなりの方法でその歴史に関わってきたのだ。


実は、もう一年以上も前に勢いで買った「遠い空の向こうに」の原作本「OCTOBER SKY」(ペーパーバック。もとのハードカバーの方の原題は、日本版と同じ「ROCKET BOYS」らしい)を、今ごろになってやっと読み始めている。今は電子辞書があるから、わからない単語があればすぐ調べられて楽だしね。
毎日少しの時間をつかって数ページずつという超スローペースで読み進めているんだが、それでも着実に進んでいるのがちょっとうれしい。
今はまだまだ最初の方で、主人公ホーマーが友達と、何の計画もなくただ模型に火薬をつめただけのロケットで大失敗したあと、そのことが街中に広まった辺り。これの少し前に、いい場面があったんだ。
ロケットが母親が大事に育てているバラを台なしにしたことで、怒られるかとビクビクしていた主人公に、意外にも母親は、ロケットを完成させなさいと言うのだ。この炭坑の街は、いずれ周辺の街と同じように死にいく。お父さんは、あなたが高校を卒業したら炭坑の事務員として働かせるつもりでいるけど、あなたはここを出て行かなきゃいけない。大学の資金はお母さんが貯める。でもお父さんを説得するには、ロケットをつくって、自分が思われている以上に賢いのだということをお父さんに見せなければ。
と真剣に話すところ。読んでいてジーンときてしまった。
それくらいで感動できるんだから単純だ。
まだ本当に序盤で、これからいろいろ大変な作業が続くのだろうけど。
そういえば、この本にもフォン・ブラウンの名前が出てくる。当時すでにロケットの研究者として有名だった彼は、主人公の(というより、自伝なのだから著者のというべきか)あこがれの人だったのだ。こんなところでまた彼の名が、と、プラネテスや人類〜のドラマとの共通点に少しジーンときてしまうのだった。
しかしこの調子だと、読み終わるのはいつになることやら。(笑)

October Sky (Coalwood)

October Sky (Coalwood)