イブラヒムおじさんとコーランの花たち

イブラヒムおじさんとコーランの花たち」を観てきた。
パリに住むユダヤ人の少年と、その近所で商店を営むトルコ人の老人の交流を描いた話。
話の展開は所々唐突だし、ちょっと手法にワンパターンなところが見られるので、そんなにすごく出来のいい映画ではないと思うんだが、見ていて心地いい映画だった。前半のパリから後半急に移動したトルコのエキゾチックな雰囲気や、70年代の音楽なども、いいスパイスになっている。
イブラヒムを演じるオマー・シャリフが素晴らしい。数々の含蓄のある言葉が彼の口から発せられると、心に染みいるよう。彼を鑑賞するためだけに観ても損はない。
登場人物がユダヤ人とトルコ人だったり、トルコにある宗教施設をまんべんなく登場させたりと、人種や宗教に対するフラットな視点が現代のフランスらしい。そういう映画を撮るということがね。今はイスラムが敵視されがちだから特にそう感じるのかもしれないが。