パッチギ!

Pacchigi

パッチギ!」を観てきた。
時代は1968年。京都。府立の高校に通う男子高校生が朝鮮高校の女の子に恋をしたが、その女の子の兄は自分の学校の生徒と仲が悪く、いつもケンカばかりしていて・・・という設定で話は進んでいく。
ケンカと歌、生と死、日本と朝鮮・・・そういったいくつかの対比が、映画の中で大きな流れを作り出している。途中、少し「お話のための展開」と思える部分があったのが残念ではあったけど、大局的に見ればあれでよかったのかもしれない。
よかった。
といってもそんなにうまい映画ではないのだけど、自分は支持したい。そう思わせるだけの爽快さとパワーのある青春映画だと思う。
ただ、なぜ今、この時代とイムジン河なのか。現在の私たちから見れば、ここでみなが語っていることは、ある種のファンタジーを含んだ空疎さで満たされているようにも映る。政治的にも歴史的にも。だからこそ、光石研演じるいかにもな左翼教師が笑えるのだが、かといって、この映画からは、この時代の雰囲気を今の時代の視点で見て笑ってしまおう、という姿勢はあまり感じなかった。描き方は軽いけれど、もうちょっと真剣に、リアルに時代を描こうとしているように見える。
あえてこの時代をそう描くことで、若者の普遍性を描きたかったんだろうか。
実は先月末に、今回観た映画館に監督を迎えての上映会が催されたのだけど、行けばよかったな(迷ったけど、前売りでも料金が高かったのでやめてしまった←ケチ)。井筒監督自身から、今回の映画の話を聞いてみたかった。