エイプリルの七面鳥

PIECES OF APRIL

エイプリルの七面鳥」を観てきた。
末期ガンの母親とともに、たぶん最後の家族一緒の感謝祭を過ごすために家族が総出でエイプリルの暮らすアパートにやってくる。だから感謝祭の料理を用意するはずだったけど、七面鳥を焼こうとしたらなんとオーブンが壊れていた。一緒に住んでる彼氏は出かけちゃったし、仕方がないから同じアパートの住人の部屋を廻ってオーブンを借してもらうことにするが・・・という話。
でもこれがなかなかうまくいかない。しかも、エイプリルは家族の鼻つまみ者だったらしく、特に母親は「不良娘」のエイプリルをすごく嫌っていて何度も「帰る」と言い出すしで、家族のドライブの方も前途多難。そしてその時彼氏は彼女の感謝祭のために外出していた。映画は感謝祭の1日をこの3者を交互に映すことで描いている。
たぶんまともに料理したこともないであろうエイプリルが、彼女なりに必死でがんばっている様がけなげで応援したくなる。家族も最後の最後まで本当にアパートにやってくるのかわからないものだから、途中からずっとハラハラしながら見てしまった。
エイプリルが、たぶんそれまで全く赤の他人だったろう人たちの温かさによって助けられ、交流していくのがいい。そして母親の方も・・・。シンプルだけど、ビデオ録りの映像の中にそれぞれの人の気持ちの動きがリアルに映されている。最後は暖かい気持ちになれる、いい映画だった。
監督は「ギルバート・グレイプ」や「アバウト・ア・ボーイ」の脚本家、ピーター・ヘッジズで、これが初監督作だとか。なるほど。だから、かなり辛口な描写がありつつも暖かい作品になっていたんだな。


帰宅してから家族の側で食べる夕食がいつもより少し嬉しかった。