オペラ座の怪人

Andrew Lloyd Webber’s The Phantom o

オペラ座の怪人」を観てきた。
ミュージカルをそのまま映画にするのは別にいいと思う。ただ、やり方ってものがあるよな。舞台が広くなるだけ、映さなければならないものは増えるし、人の移動も大きくなる。だからそれをうまく映像でさばいていかなくちゃいけない。しかしこの作品では、映画化するに当たってどこに焦点を当ててどういう視点で見せていくか、ということがきちんとつめられないまま作られてしまったように見えた。
カメラが無駄に動くので、今どこにいて何の場面なのか一瞬わからなくなることが時々あったし、全てのシーンをただ同じように演出しているから、映画としてはとても冗長でしまりのないものになってしまった。あの有名なフレーズも、この映画の中ではなんだか安いこけおどしのように響いていてちょっと幻滅。
それに、私はなんというか、こういう豪華なビジュアルの作品にはもっとケレン味と興奮がほしい! これならむしろ舞台をそのまま映画にしちゃった方がよかったんじゃないか(と書きつつ舞台見たことがないんだけど)。あのマスカレードのシーンにはちょっとケレン味を感じたから(すぐにだれたけど)。
とまあ、いろいろと文句はあるけれど、歌はいい。あの歌と衣装とセットとお話で、見終わる頃にはそれなりにお腹一杯になったので、一度くらい観るのはいいかもしれない。どうせなら映画館で。お金払って損したと言われても困るけど。