ターミナル

THE TERMINAL

「ターミナル」を観てきた。記念すべき?今年初映画館での鑑賞映画。
内容は、中途半端な「ちょっといい話」集という感じ。ロマンスとしても中途半端だし、コメディとしてもそんなには笑えない。酷いってほどではないし、それなりにまったり楽しみはしたけど、特によくもない。そんな作品だった。
キャスティングの平均年齢が高いところからすると、制作側は大人のドラマで楽しませることを期待していたのだと思う。だったらもっと小粋でセンスのいい会話や演出で魅せる内容にすればいいのに、なんだか演出がのっぺりしていて鈍くさいのだ。キャラクターの性格づけもうまくいっていないように見える。脚本に穴が多いのも気になった(例えば、国の戦争が終わったのだから、主人公がビザを取ることだって可能なはず。空港を出てNYに入ろうとする主人公を警備局長が必死で阻止しようとする理由がわからない、とか。私怨?まさかね)。台詞や演出がおもしろければ勢いで押していくことも出来るんだろうけど、この作品にはそれほどの勢いがない。結果、個々の「ちょっといい」エピソードがきれいにつながっておらず、作り手の独りよがりになっているように見えた。
スピルバーグはもう、一編の映画を人情話とそれっぽい音楽で押し切ることしかできないんだろうか。先日「A.I.」を観たばかりということもあって、そんなことを考えてしまった。