2004年映画マイベスト

書くのが大分遅くなったけれど、2004年の映画マイベスト発表!
音楽は去年はあまり聴いていないので、今回はパスすることにする。


去年劇場のスクリーンで観た映画は72本(つまりTVやビデオで観た作品は除く)。うち、邦画22本、洋画50本だった。ちなみに一昨年は80本(邦:18本 洋:62本)だから、観た数は一昨年より少なくなっている。特に洋画の本数が減ってるなあ。(2003年のベストはここ
また全作品中、再上映やリバイバルが5本、アニメが9本、ドキュメンタリーは3本だった。
というわけで、以下、ベスト10。私が2004年中に観た作品なので、もちろん、首都圏では一昨年公開された作品も含まれている。

  1. 女はみんな生きている
  2. 16歳の合衆国
  3. グッバイ!レーニン
  4. イン・ディス・ワールド
  5. イノセンス
  6. オアシス
  7. マスター・アンド・コマンダー
  8. モーターサイクル・ダイアリーズ
  9. アドルフの画集
  10. イン・アメリカ/三つの小さな願いごと

ちなみに、邦画のベスト5は

  1. イノセンス
  2. 誰も知らない
  3. 花とアリス
  4. 下妻物語
  5. 幸福の鐘

ベスト10は某巨大掲示板の投票スレで書いたものをそのまま書いてます。だから、この順位はその時の気分による暫定的なものと言えるかも。1位2位は文句なしなんだが、それ以下は全ての作品が競っていて、順位付けはかなり適当。邦画は3位まではまあいいんだが、それ以下は数合わせで入れた感じだ。一昨年より観た邦画の数は増えたけど、自分にとって納得のいく作品は一昨年よりさらに少なかった。

1.はフランス映画。話がおもしろく、アクションもあり、それでいてハリウッド的な無理矢理な派手さがなく、しかもカットやビジュアルのセンスがいちいちいい。というわけで、文句なしの1位。自分は、映画を観ていても、ここはおもしろいけどここがイマイチ(特にハリウッド作品ではそういうことが多い)、などといちいち考えてしまうのでなかなか素直に笑えることがないのだけど、これは本当におもしろくて笑いながら観たことを覚えている。

2.は、これを2位に選ぶのは自分でもイタ過ぎると思うんだが(^^;、よかったんだから仕方がない。繊細さが何かによって曇らされることなく表現された作品。そういう意味では「エレファント」も近いのだが、あれが映画としておもしろかったかというと微妙なところなので、ランキングからははずした。

3.は構成の見事さに唸ったね。主人公と共に観客も、社会主義の国が再現される様を体験するのだ。短い間に歴史の波に翻弄される市井の人々を、ポップに、だけど誠実に描いている。おかしくて、しかし哀しい。

4.は、何がよかったかというとうまく説明が出来ないのだけど、あえてドキュメンタリー風に撮ることによって得られる、普通の映画とは違う感慨があった。それに、ドキュメンタリー風でありながらドキュメンタリーではたぶん撮れない作り込まれた映像がいくつも入っている。その辺を肯定的に見るか否かによって評価が別れそうだけど、フィクションと現実が解け合って、映画に描かれているよりも大きな世界を感じさせていたような気がする。しかしウィンターボトム監督は作風が多彩やね。

5.は、自分でもここに選んだのが意外なんだが(笑)、まあいろいろ書いたけど、一年終わってみると印象の強さが際立っていた作品だった。楽しみにしていた日本製アニメの中では結局一番の出来だったしなあ(「マインドゲーム」は観ていないので言及できないのが残念)。あとは、去年の後半はSACにはまっていたので、攻殻機動隊が自分の中で盛り上がっていたからということもあるかも。

6.は、とにかく美しい。しかし残酷。だけどとても優しい。その表現されている一つ一つが極端で、こんな思いを一度に感じられるとは思わなかった。韓国映画は、日本映画にありがちな表現の壁(たぶん自主的な規制?)のようなものがないのがないのがいいね。日本映画ならこの程度でやめるだろ、というその先を普通に描いちゃう。だからおもしろい。

7.は、ちょっと前にも書いたけど、去年観た大作映画の中では一番楽しめた作品だった。これを指してオチがないだの盛り上がりがないだのいう評をよく見かけたが、その手のハリウッド的無理矢理な盛り上がりがなく、物語の世界の統一感を保っているところがよかった。自分にとって、高いレベルで映画を楽しむにはこれが一番くらいに重要な点。もちろん、ハリウッド映画のハリウッド的なところも嫌いではないけど、総合的に評価するとなるとそれがマイナスになることが多いのよ。

8.は、ロードムービーとしておもしろかったし、主人公の心の変化がうまく表現されていた。実際に旅をした場所でロケーションをし、一部は実はドキュメンタリーか?と思わせるようなリアルな撮り方もおもしろく、それによって主人公達の旅を追体験しているような気分になれた。

9.は、ちょっと小粒かなとは思ったけど、ジョン・キューザックノア・テイラーの演技が素晴らしくてね。物語も、実話もの的な体裁をとりつつ、フィクションである映画のおもしろさを存分に感じさせるつくりになっていた。

10.は、泣けた。(涙) 結構ご都合主義的なところもあるんだけど、それを意識させない演出のうまさ、丁寧さが光っていた。それに子供たちが本当に愛らしくてかわいいのよ。


今年は、もう少し多く観られるといいなあ。そしていい作品にたくさん出会いたい。