シンデレラ (正確にはテレビ映画かな)(1997)

BS2にて放送。ミュージカルで、ロブ・マーシャル振付ということで録画してみたのだが。
魔法使いがホイットニー・ヒューストンで女王がウーピー・ゴールドバーグ、王様がエイリアスのパパ(ビクター・ガーバー)という、豪華なんだかぶっ飛んでるんだかよくわからない配役で、舞台装置や衣装もカラフルで独特(ただし、派手さの方向性がちょっと80年代っぽい)。
こういう作品でシンデレラが黒人だったり王子様がアジア系だったりするのは、おもしろいとは思う。いかにもアメリカ的ではあるけど。さらに白人の母親の娘が白人と黒人の姉妹でも、白人と黒人の夫婦の子供がアジア系でも、ここはそういう世界なんだろうから、まあいいだろう(違和感はかなりあるけど)。
しかしだ、ブランディーが美人という設定には納得がいかないぞ! 舞踏会に着飾って現れたシンデレラを見て皆が口々に「かわいい。あれは誰?」と言うたびに、私の頭の中には違和感と「?」が。化粧したってブランディーブランディーだって。
人種による見た目の違いは物語の本質にとっては問題ではない、という考えはありだと思う。何系であろうと役者はその役を演じているだけなのだから。しかしその上で、美人でない人が美人として扱われていたりするとね。映画におけるビジュアルのもつ説得力の重要さという前提がグラグラと目の前で揺らいでいく気がした(大げさ)。遠目になる舞台ならまだいいんだろうけど。歌える人で他にもっといい人がいなかったんだろうか。
演出もごちゃごちゃしているし、なんだか最後まで違和感のぬぐえない作品だった。