阿修羅のごとく

BS2にて。
確かあまり評判がよくなかったと思うので期待してなかったのだけど、存外面白かった。修羅場さえも、ゆったりとした家族のリズムのなかに組み込まれているような独特の空気がいい感じ。あとは、もう少し短ければよかったんだけど。あの話で2時間超は長すぎる。
女優陣の演技が見せ場の一つだが、そのなかでも、八千草薫の、夫の愛人の家の前にいるところを娘に見られてしまったときの表情が絶品。いつも母であった彼女が初めて娘に女である自分を見られてしまったという、驚きとたぶん怒りと恥ずかしさが、一瞬の表情の中に現れていた。さすが大女優。
年長者の演技は総じてよかったが、深津、深田、獅童木村佳乃辺りの若手はまだまだだなあ。ただ、確かおすぎが「深田はミスキャスト」と言っていた覚えがあるんだが、最近彼女の演技を見る機会が多かったので慣れたせいか、言うほど悪くないように思えた。これはいいことなのか悪いことなのか。