オールド・ボーイ

OLD BOY

オールド・ボーイ」を観てきた。
すごく力を入れた上質のB級映画という感じ。(語意矛盾)
15年監禁されていた男が突然解放された、なぜ・・・?というのが話の筋なのだが、真相はわかってみればそんなたいした話じゃない。けど、その過程の見せ方がうまい。
暗くて陰湿な話なのに、乾いた笑いを交えたり軽い演出にしたりして、ぎりぎりスタイリッシュに見せている。と言ってもテーマはB級だし、ヤクザが出てきて痛い描写もあるし、考えてみれば結構いい加減な話なんだけど、それを勢いで見せてしまう。
こういう話をメジャーで撮って見せる作品に仕上げられるというのがすごいわ。日本で同じテーマで撮ったとして、これほど勢いのある映画が作れるだろうか(もっとじめじめしてマイナー臭のする映画になりそう)。
一般化して言うことはできないかもしれないが、韓国映画の勢いの片鱗を観た気がした。
それにしても、この映画は韓国でヒットしたらしいけど、韓国って儒教の国だよね?! 韓国じゃ評判が悪かったらしい「悪い男」よりこっちの方がよっぽど後味が悪くてまずいラストだと思うんだが、いいんだろうか。


本編前に、このオールド・ボーイの監督の監督作「JSA」のリバイバル上映の予告編がかかっていた。といってもパク・チャヌク監督特集というわけではなく、その後に「純愛中毒」の上映も予定されていて、「誰にでも秘密がある」と併せたイ・ビョンホン特集らしい。
イ・ビョンホンも出世したね(韓国での当時の扱いは知らないけど、少なくとも日本では)。JSAの公開当時は「爆笑問題の太田が出てる」なんて言われてたもんだが。
今流行の韓流おばさんは、これを当時映画館では見てないんだろうなあ。TV放送もしたけどその時でさえ見てなさそう。今の韓流ブームって、ひところのシュリから続く韓国映画ブームとは全く別のところで起こってるように見えるもの。
オールド・ボーイの上映中に、近くの席の女性が何度も携帯を開いて時刻確認をしているふうだったのでじゃまだなと思っていたら(携帯の灯りがちらつくから)、結局途中退席してしまった。もしかしたら用事だったのかもしれないけど、あれは韓国映画ってことで釣られて見に来た韓流おばさんだと思うね、たぶん。