クレイドル・ウィル・ロック

昨日の夜、BS2にて。
1930年代のアメリカ、大恐慌の時代。政府の失業者救済のための演劇プロジェクトの一つとして製作されていたオーソン・ウェルズ演出の社会派演劇が、開演初日になって上演を禁止されて・・・。という話。劇団員、その演劇を後援する伯爵夫人、彼女の夫や彼と取り引きする金持ち達、等々が織りなす群衆劇だ。
バリバリのリベラルなティム・ロビンスが思想入りで映画を作ったというので、もっとがっちがちで臭い映画を想像していたのだけど、なかなかどうして。左翼をネタにしつつ、それがちゃんと笑えるコメディーになっているし、ドラマになっている、とても面白い映画だった。後半の、客席から役者が次々と立ち上がって劇が出来上がっていくところには興奮した。
キャラクターも皆魅力的で、二時間超の長さが全然気にならない。特にビル・マーレー演じる腹話術師が最高。彼の弟子役のジャック・ブラックも、今ほど強烈なキャラ炸裂ではないけれどその片鱗?を見せていて面白い。1930年代の時代描写も興味深かった。
人形の葬列がいつの間にか現代のブロードウェーを歩いているシーンなど、ちょっと主張が出過ぎで鼻につくところもあったけど、総じて楽しめた。ティム・ロビンスなかなかやるねー。