新選組!

今回の話はこれまでの展開の裏返しになってるんだな。
タイトル「東へ」は、近藤達が京に行くときのタイトル「西へ!」の裏返し。将軍の警護のために京に上った彼らが、今度は将軍を追って江戸に帰ることになったのだ。
今回特に象徴的だったのは、土方達が寺田屋にかくまわれるシーン。新選組の残党を探しにやってきた薩長の兵士とお登勢寺田屋の玄関で対峙するのだが、それはそっくりそのまま、近藤達が初めて御用改めで寺田屋にやってきたときと同じ展開、同じ構図になっていた。問いただされたときのお登勢の返事も、かくまう対象が「長州」から「新選組」に替わっただけ。
相手が誰であろうと態度を変えないお登勢の賢くかっこいいい女将ぶりが伺える話だが、新選組薩長の立場を入れ替えて同じ話を演じさせることで、新選組がとうとう京を追われる弱い立場になったことをも如実に見せてしまっていた。いかにもミタニンらしい脚本。
考えてみれば、彼らが京に来たころは希望と野望に燃え、これからまだまだ京で未来が開けていたはず。しかし今では仲間内からも「もう新選組は終わりだ」という言葉が出る始末。そして江戸へ帰る船の中で、土方は「これからは刀ではなく鉄砲と大砲の時代だ」と言い、沖田は洋服をかっこいいと言う。
ただ劣勢になったというだけでなく、今までの価値観をも自ら否定してしまう彼ら。もう名実共に彼らの時代ではないのだということを感じさせた回だった。
ところで、草なぎ演じる榎本武揚(今一発で変換した!ちょっと感激)は結局あの1シーンだけの登場だったんだろうか。記者会見までしてたみたいだけど、あれだけならテコ入れもなにもないよね。まだ見せ場があるのかな。