モンスター

Monster

「モンスター」を観てきた。
連続殺人事件を犯して死刑になった娼婦の実話の背景を描いた作品。シャーリーズ・セロン主演。
環境がそうさせたのだという話に同情はしないけど、こういう壮絶な人生があって仕方がなかったのだということを理解はできる。苦しんだ末に最後に人を信じて、そこで終わった、哀しい人生だと思う。
シャーリーズ・セロンは体重を13kgも増やして顔に特殊メイクを施して、彼女のイメージとは全く違う汚い言葉を連発して、まるで別人のよう。確かにこれは凄い。迫力がある。アカデミー賞のときはちょっとバカにしていたんだが、なるほど彼女は本気だあね。あのだぶついた肉を見て確信した。女が意図的にあそこまではなかなかできないよ。あの体型を元に戻したなんてすごすぎる<感心するところが違う
でも、そこまで別人になるならそもそも彼女である必要ないじゃん、という疑問も観ている間に頭に浮かんで消えなかった。それに特殊メイクって顔にものをはっつけてるから、頬の部分の動きが少なくて不自然なんだよね。確かにすごく面の皮の厚い強面の(悪そうな)顔にはなるけれど。彼女の演技が悪かったというわけではないんだが、もし俳優が普通の顔で演じていたらもっと自然だったんじゃないかという気はするのだ。*1
シャーリーズがプロデュースもしたそうだから思い入れが強いのはわかる。けど、結局のところ話題作りなんだよな。現にこの映画は「そういう」文脈で語られているわけだし。

*1:いや、そもそもあれだけ太ったら顔もかなりブーちゃんになってるはず。体型は変わっても顔のイメージを守るためにあえて特殊メイクにしたのかも・・・。これは特殊メイクだからっていうエクスキューズがつけば、美人女優としてのアイデンティティは守られるからね