笑の大学

warai no daigaku

笑の大学」を観てきた。
んー・・・・。ぬるい。
設定はいいんだけど、ギャグが大きな笑いに繋がらないし、泣きの演出もぬるい。
もとの舞台を観たことがないので舞台でどうだったのかはわからないが、映画では演出と役者二人それぞれの芝居が違うベクトルをもっていて、しかもそれらが全て微妙に三谷のベクトルからははずれている感じがする。特に稲垣は三谷の喜劇の勘所がつかめていないように思えた。もっと喜劇のうまい役者だったらちょっとは違っていたかも。
ストーリーについていくつか言うと、役所公司演じる検閲官はもう少し粘った方がよかったんじゃないだろうか。彼が案外素直に協力的になるので、二人の考えの齟齬からくる笑いというものが効果的に出ておらず、おもしろさが半減している。また、この話は喜劇を作っていく過程を描いているので、最終的には「素晴らしい喜劇が出来た」という満足感を観客にも感じさせることが重要なはず。しかしそれがいまいち伝わってこない。だから劇中で役所がいかに脚本を誉めていてもピンとこないし、最後のシーンまで消化不良感が残ってしまった。
これ以外にもいろいろある気がするけどとりあえず思いついた点のみ。
ただ、一番の問題は演出にある気がする。星護の演出からは、典型的な共同テレビ+フジテレビのドラマの臭いがプンプンする。ここから笑えるシーンですよ、ここから泣けますよと言わんばかりの大げさな音楽の使い方と演出。観客が感じるよりも先回りして指し示すので、逆に興ざめしてしまう。テレビドラマではいいかもしれないが、映画でそれをやるとあざとくてくどい。