隠し剣 鬼の爪

kakushiken oninotsume

隠し剣 鬼の爪」を観てきた。ロケ地の県ということで公開が一週間早いのだ。
このはてなに書き始めた初日にも書いたのだけど、私は「たそがれ清兵衛」が好きではない。説明過多のベッタリした演出が全編に渡っていて、見ていてとにかくイライラする。
この映画もそうなるんじゃないかと心配していたんだが、とりあえずイライラはしなかったのでその点はよかったかもしれない。話もまあまあおもしろい。
ただ、全体的に話がダラダラしている。「たそがれ」ほどストーリーに明確な山がないし、肝心の秘技・隠し剣鬼の爪は必殺仕事人(意外にしょぼい)だし・・・。カメラワークももっさりしていてセンスなし。それに、ギャグやラブストーリーも、のっぺりした演出のせいで中途半端になってしまっている。最悪なのがラストで、本人はすごく気の利いたものにしたつもりなんだろうけど、どうにも古くさい。いきなり昔のラブコメみたいになって終わったので唖然としてしまった。いくらなんでもあれはないだろう。映画館に大勢見に来ていた年寄り達はあれを観て胸キュンッとするのかもしれないけど。
まあ、監督が山田洋次って時点でこんなこと言う方が間違ってるのかもしれないが。
ただ、役者は意外によかった。特に若手には不安もあったのだけど、主演の永瀬正敏は侍姿が結構はまっていたし、小澤征悦もなかなか。松たか子は下手ではないんだけど、佇まいが上品すぎて農民の娘という感じがあまりしないのがちょっとかな。個人的には松田洋治が出演して好演していたことが嬉しかった。最近ドラマにはあまりでないからTVではなかなか姿を見る機会がないので。子役の頃から顔変わらないね、この人。


映画館には、「たそがれ」と「隠し剣」のロケに使われた山形県庄内地方のロケ地マップが置いてあった。この2作品も含めて最近県内でロケされる映画が多く(スウィングガールズとか)、地元では結構この手の話で盛り上がっているのだ。ここも、この機会に新たな観光資源としてPRしようと必死らしい。
庄内ロケものとしては、今度は蝉しぐれの映画版も公開されるしね。藤沢周平さまさまです。