閉館

今日、地元の映画館が2館(スクリーンにして3つ)、先月末に閉館していたことを知った。しかも、今月末には市内で一番スクリーンの大きい老舗の映画館(スクリーン2つ)が閉館するらしい。
いずれも市の繁華街にあり、街中の映画館が一気に3館消えることになってしまった。そのうち1館はいずれ改装してまた開館するらしいので実際には完全に消えるのは2館だが、それにしても、昔ながらの市中の娯楽の顔的存在だった映画館が消えるというのはショック。
山形は人口に対して映画館の数が多い市らしかったんだが、もうそんなことも言えなくなってしまった。以前、仙台について、街中の映画館が次々となくなっているというようなことを書いたことがあるが、地元も全く同じ状況になりつつある。
地元には映画館のチェーンが2つある。両方地元資本で、一方は邦画全盛期から続いてきた老舗の映画館、もう一方はロードショーが多くかかる前者に対抗する形で始まったミニシアター。後者の映画館は数年前にシネコンも始めている。
正直言って私も、設備が古くて料金の高い*1前者のチェーンの映画館には、ここでしか上映しなくてよっぽど観たい作品でない限り観に行くことはない。だから、こんなふうになったのもわかるし、時代の流れでしょうがないのかなとも思う(そもそも客の減少に対して経営努力をしてこなかった映画館が悪いんだし)。
でもこれで、2つのチェーンが保ってきたバランスが大きく崩れることになってしまった。前者のもつ残りの映画館は小さくて地味な映画館が1館のみだから。たぶん、ミニシアター/シネコンの支配人もこんな状態は望んではいなかったろう。これだけの数の映画館がなくなれば、シネコンにも作品編成の点でのしわ寄せがくるはず。そうなると、後者の映画館しか行かないなんて言ってる自分にも無関係ではなくなる。
それに、今回のことで市外の大手シネコンの利が大きくなるかもしれないのが一番こわい。どこも、ここからは数十キロ離れた田舎に存在している(それでもこっちは完全な車社会だから、平気で市内から観に行く客は多いらしい)のだが、今後はこういった遠くのシネコンでしか上映されない作品というのも増えるかもしれない。自分にとっては非常に困ったことに。
映画館がなくなった感傷の気分もあるけれど、それよりも、市内の映画館の今後が心配だ。

*1:なにせ普段は後者のチェーンの会員料金1000円で観てますから