アードマン・コレクション vol.2

こちらはレンタル・ビデオ。
最近になってうちの近くのTSUTAYAにもこの手のアニメ・ソフトが少しは置かれていることを知って、少しずつ見ていこうと思っているところなのだ。いきなり2なのは、1が借りられていたから。同じ日にデジタルな3DCGアニメーションとアナログなクレイ・アニメーション(もちろん3D)という対照的な二つの表現方法のアニメを見るというのもおもしろい。
アードマン・アニメーションというと「ウォレスとグルミット」のイメージくらいしかなかったのだが、社会派とも言えるようなシリアスな作品が多かったのが意外だった。刑務所を仮出所した男が部屋の中で自分の半生について独白する「仮出所」、会社の受付嬢がとりとめのない話を続ける「ある受付嬢の告白」、貧困者救済センターに食事をもらいにきた男と係員のやりとりを描いた「ダウン・アンド・アウト」、武器商人達の晩餐会を描いた「バビロン」などは、テーマの渋さに加えて、人形の造形も細かい動作や顔の筋肉の動きまで表現されたリアル指向のものとなっている。70年代や80年代に製作されたものにこういった作品が多いようだ。最近はこういうものは作ってないのかな。
中でも特に「バビロン」は、大勢のキャラが一度に動く緻密さ、カメラワークの素晴らしさ、そして皮肉の込められたテーマの表現の仕方などから、傑作と言っていいと思う。こういう作品がクレイ・アニメーションで作られているということに素直に感動した。