ビッグ・フィッシュ

先日「バットマン」を見て、次の日には「バットマン・リターンズ」を見て、ティム・バートン・シリーズの締めくくりとして次は・・・、というわけでもないのだが、「ビッグ・フィッシュ」を観てきた。


そういえばリターンズの方の感想を書いてなかった。途中抜けたのでちゃんと評価はできないんだけどね。でも途中までとラストを見た感じでは、一作目より増えたキャラや少し入り組んだ話を処理できていないという印象を受けた。一作目はユーモアや余裕が感じられてそれがよかったんだが、リターンズでは話を進めるのがやっとという感じ。箱庭感のある映像の雰囲気はそのままだったが、キャラがうまく動いていなくて、ごちゃごちゃしたB級映画そのものだった。一作目はおもしろかったんだけどなあ。


というわけで、「ビッグ・フィッシュ」の話を。
いつもホラ話ばかりする父親を嫌っている息子が、父親の容態が悪化して久しぶりに父親と再会し・・・という話。現実の話の途中途中に、父親の語る若き日の物語がドラマとして挿入される。
しかしこのホラ話ドラマがネックなんだな。これがあんまり魅力的じゃないので見ていて退屈なのだ。ホラ話と現実の切り替えも、いきなり始まっていきなり終わるという感じで実に素っ気ない。エピソードどうしのつながりもあまり見えないし。
なんというかこう、全体にもっと物語の大きなうねりのようなものが欲しいのよ。現実の話であれホラ話であれ、もっと物語ることに力を注いで欲しかった。
しかし、病院での親子の会話からラストまでは、そういう映画の物語る力が発揮されていてとてもよかった。ここがよかっただけに、それまでが全てそのための序章じゃ映画として寂しすぎる。


ところで、映画の上映中、たぶんそうだろうなぁと思いながら見ていたらやはり、字幕は戸田奈津子だった。なっち、今回も「〜を?」使いまくり。そして勝手に犬の名前をポチに変えてるし。実際に何と言っていたかはうっかり聞き逃してしまったが、アメリカで犬の名前にポチはないだろうよ。これを見たときは目が点になってしまった。たぶん一見して犬の名前だとわかるようにしたかったのだろうが、余計なお世話というものだ。