花とアリス

花とアリス」を観てきた。(ちらしをもらっていなかったので画像はなし)
キットカットのCMが映画になると知ったときは、そういう安易なのはもうやめようよ〜と思ったのだけど、実際に見てみたらいい映画でした。*1
始まりは小さなウソだったのにそれを隠すためにどんどんウソが増えていってそれで・・・というストーリーはそのまま一気にコメディに転んでいくこともできそうなのだけど、話はそういう方向に加速はしない。不思議な三角関係も、結局のところ決定的な修羅場を迎えることはない。コメディも恋愛も友情も日常も、同じテンポで淡々と進んでいく。それは劇中何度も出てくる、人が一列に連なっててくてくと歩いていくシーンにも象徴されているのだろう。その、誰も、そしてストーリーも急がない雰囲気がとても心地よかった。
まるで写真に撮るように、15、6歳の女の子の生態と彼女たちのイキイキとして美しい瞬間、瞬間をぎゅっと閉じこめた映像がいい。うだうだと過ごす日常やじゃれあう女の子二人の様子を見て、ふと高校の頃が懐かしくなってしまった。あんなに楽しそうな毎日じゃあなかったけど。(笑)
鈴木杏蒼井優が二人ともとても魅力的。美人って感じではないし、映画の中では思いっきり変な顔もしているのだが、それでも彼女たちが動いているとそれだけで可愛いくて、優しい目で見てしまう。それに二人とも本当に演技がうまい。ウソをつくシーンなどからすると、鈴木杏はコメディエンヌとしてもいけるのでは。今の日本に彼女を活かせるちゃんとしたコメディを撮れる人がいればの話だが。
あと、蒼井優って鞠谷友子に似てない?表情が時々妙にお婆さんっぽいところが。(って誰に聞いてるんだ)


ところで、ところどころにでてきた漫画家へのオマージュ?(藤子駅に野比田駅とか、手塚高校とか、よくわからなかったけどデートで観ていたアニメ映画とかいろいろ)は一体どういう意味があったんだろう。


上映前に流れた「69」の予告編で、主題歌になっているケミストリーの「いとしい人」を初めて聞くことができた。Spanovaが作曲している曲のなかで唯一編曲もしている曲なのだが、予告編で聞くことができたほんの少しの断片だけでもわかる、確かにこれはSpanovaの音! クレジットにシングル・バージョンと出ていたので、シングル・カットされるみたいだ。買ってみようかなあ。CCCDじゃなければの話だけど(無理か?)。映画もなかなかおもしろそう。原作はかなり昔に一度読んだことがあるんだが、内容をすっかり忘れてしまっているので純粋に楽しめそうな気がする。脚本はクドカンだし。期待して待つことにしよう。
恋人はスナイパー」の予告編も流れていた。いかりや長介の遺作になっちゃったんだよね、これ。長さんが出てくるシーンではちょっと涙が出そうになってしまったよ。たぶん本編を見に行くことはないだろうから、予告編を観ることができてよかった。

*1:一応キットカットを食べるシーンも申し訳程度に出てくる