里山

なんとはなしに見たNHKスペシャル「映像詩 里山 『命めぐる水辺』」が素晴らしかった。琵琶湖湖畔の町の豊かな自然それ自体も美しく、人々の生活も豊かでうらやましく見た。が、それと併せて感心したのはカメラワークと編集の素晴らしさ。子供達がバケツをのぞき込むと次のカットでは視点は水の中にあって上の方に子供達の顔が見える、なんていう映像が随所に出てくる。カメラを仕込まないと撮れない映像だから、つまりはかなり作っているということなんだが、そういう物語性を指向した映像はドキュメンタリー映画なんかでは普通にあることだ。
だがNHKでそういう作家性を重視した映像を見ることは珍しい。NHKは観察者としての過不足ない、悪くいうと真面目一方の映像は得意だが、むしろ作家性は極力出さないようにしていると思っていたので、この番組には驚いた。良質のドキュメンタリー映画を見ているような、もしナレーションがなかったら本当にそういう場で上映しても遜色ないような映像だったと思う。
里山」はシリーズということで今回の前に第一弾が放送されているのだが、見逃してしまったのが悔やまれる。こういう映像だとは知らなかったから・・・。また、今回の番組は5日の深夜に再放送されるようなので、そのときは録画を忘れないようにしなければ。そしてディレクターや音楽もちゃんとチェックしなきゃ。