絶唱

BS2でやっている百恵&友和映画特集の中で、今日の「絶唱」を初めて見た。
山口百恵は大人びていてきれいだなあ。当然ながら歌も上手い。16歳というのが信じられないくらい。三浦友和も男前で、美男美女カップルと言われたのも納得だわ。
映画はアイドル映画とは思えないくらいまじめに地味につくってあると思う。というより、暗すぎるだろこれ。だってラストは死人との結婚式だし、死体を抱えた三浦友和が「二人になったのは久しぶりだね。一緒に歌おうか」なんて言った次の瞬間には(花嫁衣装姿で)死んでいる百恵ちゃんの青白い顔のアップが。そして友和の歌で終わりである。別にアイドル映画だから地味で暗いのは変だというわけじゃないが、これはちょっと別の次元にいっちゃってる気がする。百恵ちゃん目当てで見に行ったファンたちは一体どんな気持で映画館を後にしたのだろう。
その一方で、二人一緒のシーンでは少女漫画も真っ青の歯の浮くような台詞の連続なのだった。友和が「罰としてこうしてやる」なんて言って百恵ちゃんにキスするところなんて、思わずプッと吹き出してしまいましたよ。これって当時(1975年)でも十分ファンタジーだよねぇ?時代設定を過去である戦時中にしているのはその辺のベタさを緩和するためなんじゃないかと思ったんだけど。それとも、これを見て当時のカップルはうっとりしたり、ラストで泣いたりしたんだろうか。謎である。