ライオネル・ファイニンガー展

その後仙台に行って、宮城県美術館で「ライオネル・ファイニンガー展 光の画家」を鑑賞。
ドイツ系アメリカ人。16歳でドイツに渡り、諷刺画から始めて、新聞連載をする漫画家も経験し、キュビズムに影響され、バウハウスで教鞭をとり、やがてナチス頽廃芸術の烙印を押され、後にはアメリカに帰国し、ニューヨークで制作を続けた人。没年1956年。
といっても、私はこの展覧会までは全く知らず、なんとなくよさそう、という認識のみで行って来たのだが、これがとてもよかった。
線と多彩な色の面による光の表現が特徴的な油絵ももちろんよかったのだけど、収入のためだったという初期の新聞連載の漫画もおもしろかったし(一部の作品については、今回日本語訳版がつくられていた)、諷刺画や漫画の経験があるからか、素描や水彩のシンプルな絵もとても魅力的。さらに、木製のおもちゃ(機関車や、家や人の形をしたブロックなど)も制作しているのだが、これまた素朴でいい味を出してる。木彫や版画もあり、それらもおもしろい。
芸術家の多様な作風の変遷をたどることができる面白さに加えて、どの時代の作品もそれぞれに魅力的で、とても満足のできる展示だった。
これもこの日曜までで(だから今週行ったのだが)、宮城県美術館で巡回も終わりらしい。
もしどこかで見る機会があればぜひ。


帰る前に常設展もちらっと見ていく。
しかし、展示室Iの最初の方の、洋画も日本画も作風も、海外か国内かということも全く関係なく一貫性のない展示はどうかと思うね。時間もなかったので、こちらはかなり飛ばして展示IIへ。
実は私はこの部屋の展示が結構好きで。素描がほとんどなのだが、クリムト、ココシュカ、シーレ、クレー、カンディンスキーなど、近代ヨーロッパの芸術家たちの作品たちが見られるのだ。今回観たファイニンガーはカンディンスキーやクレーとも一緒に活動していたらしく、そこからの関係も感じつつ。
まあ、すぐ見終わるくらいの量なんだけど。


ファイニンガーの絵はこんな感じ(グーグル検索)。展覧会で観た物もはいってます。
http://images.google.com/images?client=opera&rls=ja&q=Lyonel+Feininger&sourceid=opera&oe=utf-8&um=1&ie=UTF-8&ei=RRiqSfq5LJyi6gOszoy0Bg&sa=X&oi=image_result_group&resnum=4&ct=title

また、シカゴ・トリビューンに連載された"Kin-der-Kids"のコレクションがここで見られます。
http://cartoons.osu.edu/FEININGER/index.html