雪灯篭つくり

米沢では、雪でつくった灯篭をたくさん並べてロウソクで灯りを灯す「上杉雪灯篭まつり」というものが行われている。今年は9日10日が開催日で、主会場は上杉神社とその周辺。でも、住宅街の中でも、それぞれの家の前に雪灯篭がつくられていたりする。
私の勤めている会社もこれに毎年参加している、らしい。で、今年も会社の前に二基、上杉神社の境内に一基作るので、各部署から有志を募ることに。私は今まで体験したことがないので、ぜひやりたいと希望して、上杉神社の方の雪灯篭の整形係に入れてもらうことになった。
作業は日中に行うので午後3時半現地集合だが、会社としての地域貢献の業務になるので、業務上の外出という扱い。3時に仕事を切り上げて会社を出たけど、こんなに早く会社を出られることなんて滅多にないから、うれしかったねえ。もちろん直帰。(笑)全ての作業が終わって帰宅したら6時過ぎだったが、こんなに早くうちに帰ったのは何日ぶりだったろう。


上杉の雪灯篭整形チームは、私と同じような理由で未経験の人が集まったから、未経験6+プロ級にうまいベテラン社員1と普通のベテラン社員1という、かなり頼りない構成だった。(^^;
雪灯篭作りは、始めに「トーフ」と呼ばれる、彫る前の大きな雪の柱のようなものを作るところから始まる。雪を集めてベニヤ板と縄で四角く固定して、固まらせる作業。白くて四角いので「トーフ」らしい。これは、2日前に社内の整形チームとは別のトーフチームが来て作成済み。
整形チームはそれを彫って雪灯篭の形にしていく。


まずは、ベニヤ板で作られた型をトーフにあてて、形を書き取っていく作業。片辺分しかないので、一面につき左右両方を、四面分写し取る。
そのあと、辺となる部分にノコギリのようなもの(雪灯篭作り専用器具?)で切り目を入れ、大きく彫らなければいけない部分を切り取っていく。
そのあとは、ノミのようなもの(これまた雪灯篭作り専用器具か?)でひたすら地道に削っていく作業となる。
はっきりいって彫刻です。こんなふうに作ってるなんて知らなかったわ。
凍った雪というのはかなり固く、削る作業は意外と難しかった。なかなか思うようにきれいに削れないし、全体的なバランスを取るのも難しい。ベテランの人がいなかったらダメだったかも。多少ボコボコしている面でも、この人がさらに手を入れるときれいな面になっていた。この人は、どんな道具でも頼めば作ってくれるという会社の設備関係のプロなんだけど、そういう人はさすがに器用なんだなあとみな感心しきり。
最終的には、バランスを観つつ、足りないところには少し雪をつけたしてパテのようなもので表面をきれいに整えていく。この作業、ケーキの表面に生クリームを塗ったくっていく作業にちょっと似てる。
で、一番最後に足下の台座となる部分をきれいに整えてできあがり。


そんなこんなで周りを見渡すと、同じ雪灯篭でも結構いろんな個性が見て取れる。ずんぐりむっくりなところもあれば、本当にプロによる技のような整った形のものもあり。観光で観に来る人は、そんな個性の違いを見比べるのも楽しいかもしれない。素人っぽいのからプロっぽいのまで、どの雪灯篭も全て手作りだから。

写真は、雪灯篭の整形が終わって灯をともした後に、台座の周りをきれいにしているところ。多少腰から下が彫りすぎでスリムなのと、少しだけ捻れているのを大目に見れば、結構きれいにできたんじゃないだろうか。