ディープ・シーカー

ディープ・シーカー

先月タワレコで4枚買った内の一枚。
ZEPPET STOREのベースだった中村雄一が始めたユニット。といっても、実は彼はZEPPET STOREより先にこのユニットをやっているので、復活ということになるのらしいけれど。
私は、メンバーの解散後の活動で彼がこういうユニットをやってるという話は聞いていたが、詳細は全然知らなかったので、失礼ながら、このCDを初めて聴いて、こんな本格的でかっこいい音楽をやっていたのかとびっくりした。フィードバック・ノイズ入り乱れるシューゲイザーサウンドに打ち込みを入れて、ダンス・ミュージック的な要素ももちあわせたような音楽。と書くとなんだかあまりパッとしない感じがするが、これは本当に、ポップでしかもかっこいい。世の中に数あるシューゲイザー・フォロアーの中でもこれはかなりレベルが高いですよ。
ZEPPET STOREでギターロックに拘るあまりに抜けきれなかった部分やどうしても残ってしまうダサさ(^^;をこの音楽では完全に払拭した感がある。
それでいて嬉しかったのは、ここには明らかにZEPPET STOREの遺伝子が感じられること。メロディーや音を聴くと、ZEPPET STOREを通過してのこの音楽というのがすごくよくわかる。ZEPPET STOREというと、Vo.木村さんがいてこそのバンドと思っていたけれど、メロディに対しても音に対しても、中村さんの影響というのは大きかったのだということをこれを聴いて実感した。その上、今回私は初めて聴いた中村さんのボーカルも、木村さんに声質も雰囲気もそっくりなのだ。もし誰かから、これは実はZEPPET STOREが発展解消してつくったバンドですよ、と言われたとしたら信じたかもしれない。
カバーでJames Ihaの"Be Strong Now"をやっているが、この選曲もGood。大好きな曲だし、この曲が入った彼の唯一のソロアルバムは私にとってのマスターピースなのだ。中村さんが(そしてたぶん木村さんも)James Ihaが好きというのはわかる気がする。彼らには、作曲のセンスに似たものを感じるから。そして曲のアレンジも見事。元の状態が全く想像できない、完全にLucy's Driveの音楽になっている。
昨年はあまりCDを買わなかったけれど、これは最後にきたサプライズだった。