爆笑問題のニッポンの教養

初めて見たけど、なるほど、こういう番組だったのか。
今回は特に、登場した山岸先生のやっていることが昔私が通っていたところのやっている学問と関係浅からぬ(というかずばり同じ領域同じグループというか)ものだったので、懐かしい思いも抱きつつちょっと復習気分で見た*1。山岸先生の社会的ジレンマの本はテキストとして買わされたっけなあ。
ただ、どこに視点を置くかの違いだけなんだな。集団の個人への心理的作用を考えれば社会心理学で、そういう心理をもつ個人が集まって構成する集団(社会)について考えれば社会学なのだ(と思う)。ただ、今回の番組を見たところ、結局は「社会をどうしていけばいいか」というところに話が行き着くらしく、目指すところはあまり変わらなそうなのだけど。
特に難しい話ではないし、この分野としては考え方の基礎中の基礎だと思うのだけど、こういう学問の「考え方」がテレビ番組で紹介されるというのがちょっと感慨深かった。よくある学問を扱う番組では、理系分野の科学についてはいくらでも「最先端の」研究のやっていることが紹介されるし、もしくは心理学でもよりポピュラーな臨床心理学が一般化した形で紹介されるということはあっても、今回みたいな文系分野のより概念化された領域というのは、なかなか電波には載りづらいものだから。それは、番組を作る側がどれだけ視聴者を信じているかということに拠るのかもしれない。
ただ、もっと純粋に学問の紹介でもいいような気がする。バラエティとして成立させるために演出が必要なのかもしれないが、それがかえって邪魔になっているように感じた。本当に内容を伝えたいと思うなら、あの聞きづらいロボ声のナレーションはないんじゃないだろうか。
でもとりあえず、この番組は高校生に見せたらよさそう。こんな学問があってこういうことをやってる人たちがいるってことがわかれば、そこから興味を持ったり、それが進学のヒントになるかもしれないしね。

*1:でもそんなことばかり考え(思いだし)ながら見ていたものだから、肝心の爆笑問題の太田の考えや何かが頭の中からすっかり抜けてしまった。(^^; なのでもう一回見たいな。